あの出来事から3年。

03.08.2018

有限会社トリトンという法人格を失ってから3年が経ちます。
一度失敗をした者として、表舞台に出て語ったりすることを自粛していましたが、もうそろそろ良いかなぁ?ということで、2018年11月に建築家の谷尻誠さん、電通総研代表の倉成英俊さん、12月には写真家の横浪修さんと西山勲さんを神戸のKIITOにお招きし、業界業種を超えて「差別化、区別化」について語ろうと思います。 デザインすることもそうですが、一般企業での商品開発やPR企画について、現在の取り組みが同質化(コモディティ)していることに疑問を感じ、どうしたら異なる取り組みが出来るのか?どうしたらアイデアが生まれるのか?どうしたら、このジレンマから抜け出せるのか?を「差別化、区別化」というテーマに沿って語り合ってみたいと思います。彼らの思考やプロセスのヒントが作品やトークの中に隠されているはずです。それを僕の経験や気づきなどと併せて、探りたいと思います。

デザイナーは大陸へ行くべし!

06.07.2018

もっぱら最近の興味は中国です。
昨年年末から毎月のように上海、北京へと仕事で伺っているわけですが、習近平国家主席の共産的ではありますが、ITにしても環境問題にしても国をあげて取り組むスピード感は凄いの一言です。アメリカ性のFacebookやinstagram、Google mapなどは、まったく使えないですが、それ以上に中国版SNSの進化を遂げているのです。Wechat PayやAlipayといった電子マネーの普及で現金いらずです。レンタサイクルや地下鉄駅にある雨傘もぜーんぶWeChatで解決!
アメリカが30年かけて作り上げた経済成長をたったの9年で成し遂げた中国ですが、一部の業種で人で不足なのです。というか、人材が育っていないのです。僕が最近上海に行ってデザインコンサルなどを行うだけで、人の紹介を反して別の業界の董事長(オーナー)を紹介される感じです。急成長した分、しっかりとしたブランディングやクリエイションを必要としていることは事実。人件費も日本より良くなって来ているので、見積もりなどの金額も問題なく通過します。日本でくすぐっている若手デザイナーさんたちは、諦めるのではなく、隣の大陸でチャンレンジするのもいいんじゃないですかね?いい経験にもなると思いますし・・・。僕はしばらくお世話になることでしょう。笑

デザインの神はいるのか?

14.03.2018

デザインのアイデアはどこからやって来るのですか?とよく聞かれる。笑
やって来るのではなく、常に突飛もないデザインやアイデアを考えているのです。電車に乗っている時、トイレに入っている時、布団の中など・・・常に考えています。他の企画会社やデザイン事務所が提案するだろうことは考えず、雰囲気のデザイン感だけのっけるのではなく、どんな風に見せるか?どんな風に売るか?といった戦略とデザインの両面から「区別・差別・特別」を常に考えています。例えば、2017年年末にデビューした日本酒の酒蔵「農口尚彦研究所」の場合、日本酒だから「書や筆文字」に頼るのではなく、「区別・差別・特別」という観点から超シンプルなマークにすることで成立した理由です。「特定名称」という酒の種類を分ける表記についても、どんなお酒をどのくらいの種類造るのか?を事前に知ることが出来たので、事前に調べておいた石川県の加賀友禅「加賀五彩」にあやかり、農口杜氏の醸す酒を「農口五彩」と色分けし、表ラベルには一般的な「山廃純米」とか「大吟醸」といった特定名称を入れずに酒別を可能に出来た。これが全てではありませんが、農口尚彦研究所の場合は、ピッタリハマった事例です。こんな風に凝り固まった印象やイメージから少し外れることで生まれて来ているのが、僕のアイデアであり、トリトングラフィックスのデザインに繋がっています。
「区別・差別・特別」という思考は、デザインだけに留まらず、フォトディレクションする時も、コピーディレクションする時も、同じような思考で構築しています。全てにおいて大切な考え方ではないでしょうかね?デザインの神がいる理由でもないので、突然アイデアが舞い降りたりしませんよ。という話でした。
※僕のデザインレクチャーを聞いてみたいという方は、ご連絡ください。企画しますので・・・。

ブログをちゃんとやります宣言!

06.03.2018

気がつけば、1年以上も放置していたブログ。
若手デザイナーの出現や世代交代、デザインを取り巻く環境や時代も大きく変わりました。紙媒体という純粹なグラフィックデザインの仕事は、本当に減ってると思います。僕ももうすぐ50歳、まだまだマウスも触っているわけですが、そろそろ現場を離れないとなぁ?と思いますが、離れさせてくれない事情もあったり・・・。笑
きっと、グラフィックデザイナーの仕事は無くなることはないと思うのですが、精査されると同時に求められる業務領域も変化するでしょう。ただ単に素敵なデザインを全うしていたデザイナーは、消費され、居なくなることでしょう。
デザインの良し悪しを理解し、デザインを施すことでどんな効果が得られるか?どんな結果が図れるか?など、ちゃんと説明の出来るデザイナーが生き延びていく時代だと思います。それは、紙面デザインだけでなく、デザインする行為を俯瞰で捉えることの出来るデザイナーという意味です。もうすぐ50歳になろうとしている僕も、常に現在のデザインシーンをチェックしますし、それだけでなく経済のことやマーケットのことなども意識し、学んでいます。まだまだ若いデザイナーには負けたくない!という思いもありますし、僕に付いて来てくれている弟子っこやスタッフに満足してもらうためにも常に精進しないとです。

来月からは毎月、上海の企業でデザイン・コンサルティングが始まります。実際のデザインを着手出来ないもどかしさはありますが、大陸で作られるデザインに対して、僕がデザイン修正やレクチャー出来ることは、今までに経験したことを全て出しきれるという意味で本当に楽しみです。言葉の問題など、不安もたくさんありますが、頑張るだけです。

それと・・・2018年は、デザインを活かしたアクション(モノコト)を始動させたいと思います。30年近くデザインに向き合ってきた集大成って感じですかね?さぁ、今年も頑張るぞー!(既に3月に入りましたが・・・笑)

新しい年、ワクワクの年。

05.01.2017

nenga

新年明けまして、おめでとうございます。

本年は、昨年にひき続き、ある方々と密会を継続します。
何の密会?かと言いますと・・・。
昨年、とあるパーティーの帰りに僕が勤めていたミランダという会社があったので、お酒のチカラをお借りし、弟子の美奈子と行ってみました。不夜城で有名なデザイン事務所だったので、やはりおられました!関西を代表し、僕がリスペクトするアートディレクターの野口さん。
まぁ17年ぶりだったこともあり、野口さんもかなり驚かれたようだったし、僕も酔った勢いだったので、正直少し恥ずかしかったのです。で簡単な挨拶をしただけに終わったのですが数日後、代表の原さんからメールが届き、後日、深夜カフェで8時間デザインのことや今のデザイナーのことを語るという「密会」を年末までに数回行った2016年でした。
ただ珈琲飲みながらうだうだやっていたわけでもなく、この17年ぶりの再会に未来を感じ、お互いが何か取り組めるのでは?と盛りがったという理由です。具体的に何かやるのか?と言われると困るのですが、2018年~2020年ぐらいをメドに何か生まれるのでは?という予感がしています。w
これまでになかったデザイナーのシステム、また仕組み、組織づくりなど・・・きっと、わくわくが生まれるはずです。原さんも僕ももう失敗出来ないおっさんです。笑

それと、現在お世話になっているスーパープロジェットでも、楽しくやり甲斐のある案件が目白押し!何より自分が最近興味のある日本酒に関われることが一番の楽しみですかね? クライアントさんに喜んでいただける仕事にすることもしかり、今年はトリトングラフィックスdivとして、事業部メンバーでデザインやアートを学ぶ、小さな慰安旅行に行ければとも考えています。

激動の年、感動の年、2016年。

28.12.2016

20161228

2015年11月、自分の不甲斐なさから18年間経営した会社を失いました。
辛さと悔しさを抱いたまま、新しい環境でトリトングラフィックスを始動させ、快くお仕事を依頼してくれたクライアントさんや一緒頑張ってくれている弟子やスタッフのために突っ走った2016年でした。その激動の年もあと4日で終わろうとしています。
そんな2016年は、実は素敵な年でもありました。丸4年を迎えた弟子の美奈子がアパレルのカタログ制作でアートディレクターとしてデビューしたこと。まだまだ粗削りですが、アートディレクターという仕事に真剣に向き合い、相手のことを理解しながら一生懸命応えようとする姿に少しうるっとさせられました。
信頼してくれるクライアントさん、そして信頼出来る弟子やスタッフに恵まれ、本当にこの仕事に従事出来たこと、そして、これまで生きて来て良かったー!と思えた年でした。
来年は年男。どんな年になるのか?不安もたくさんありますが、さまざまな夢や計画もあります。来年、少しづつ実現させ、これまでご迷惑をかけた方々や一緒に働いて来たスタッフたちに喜んでもらえる出来事が作れるように頑張ろうと思います。
自分たちの好きな場所、好きなコト。これが僕のオリジン。
共感してくれる皆さんと一緒に次なる「場所」を考えてみたいと思う2017年です。
来年もよろしくお願いします。

オリジナルを探すこと、作ること。

29.04.2015

jam

先日、京都で開催されていた「ふるどうぐ市」に行って来た。
凄く素敵な方、素敵なモノに出逢えた市でした。

しかし数日後、ある古道具店のオーナーと今の骨董シーンや骨董を扱う人たちについて話をした。
少し前にFacebook上で物議を醸した「サードウェーブ系男子」と似ており、「骨董系男子&古道具系女子」がいるという事実。服装が似ているだけでなく、ライフスタイルまで共有するというか、同じである。前回ブログにも書いた「コピペ世代」なのでしょうか?

この世代が危険なのは、オリジナルを探す、オリジナルを作るという行為がないこと。

その友人オーナーと話しをしていてビックリしたのは、同業者として、僕たちはアンティークを広めたいからフランスやベルギーなどに雑貨や古道具を探し求め、買い付けに行くわけですが、今回京都で開催されていた「ふるどうぐ市」に出店していたある店主は、友人のお店やネットショップでアンティーク雑貨を購入し、あたかも自分が探してきたかのように値付けをし直し、店で販売しているようです。当然モラルから外れているので、そのオーナーは怒ったらしいですが・・・。でも当然のことのように思います。本気で古道具やアンティークを扱う人たちと姿勢も違えば、考え方も違うわけですが、正直理解出来ない感じです。
買い付けのリスクを負い、モノと出逢うストーリーを感じ、それをお客さんに伝え、共感したお客さんと価値を共有すること。この世代の人たちは、このプロセスはなく、完全に情報化した社会とトレンドの中で生活しているので、コピペが日常で悪いことをしている意識もないわけですから。でも、考えて欲しい。自分だけのオリジナルを探す、作るというプロセスを。
それが顕著に現れているのが、インスタグラムじゃないでしょうか?(まぁ、ぼくもやってますが・・・)

ある執筆家が書いてました。
スローライフが流行、スローフードが生まれた。これは日本人が昔から行っていた生活であり、おばあちゃんの生活だったり、食生活だったわけですよね!?そのことが時代が変われば、お洒落な言葉で言い換えられ、内容はおばあちゃん食生活なんですよね!?サードウェーブ系もそう!コーヒーの焙煎を浅煎りにし、香りを強くし、味を薄くしたコーヒーは、昔の喫茶店でもアメリカンという名で親しまれていましたし。何か名前をお洒落にすることで、こんなにも新しい風になる現象自体が気持ち悪いと思えてなりません。こういうトレンド感に流されることなく、デザインという仕事と自分のライフスタイルについて考えたいと思いました。

それと・・・今回、トリトンカフェでは、オリジナルグロッサーズの開発をしていたのですが、一番悩んだのは、パッケージですかね!?先にも言ったように、オリジナルをどうやってカタチにするか?を話し合いしました。
今のパッケージデザインの流れやコンフィチュールブーム、クラフトブーム、手作りブームなどに流されないデザイン思考。僕たちが見つけたのは、「デザインしないデザイン」という考え方。それが最近のトリトンデザインかもです。

自分らしいを見つけること、それがオリジナルを探すこと。
何かの情報に引っ張られるのではなく、自分で情報を整理し、
自分らしく暮らすことが、自分らしく仕事をする。
本当に「素敵な暮らし」「素敵な仕事」は、そこから生まれるんじゃないか?と思います。

自分で探そう、自分らしさ。

本質を問う、自分に問う。

19.02.2015

ある有名な骨董商の方がメールで言っていた。

今、日本で広がる骨董ブームとその撮影の仕方が好かん!と。

何となく理解したし、共感できた。

 

海外と日本における文化の認識がかなり違う。

海外は、自国のことをよく理解し、個々が自国の歴史について語れるほど、知っているのに対して、日本人はまったく自国の歴史について語れない。というか、知らないし、興味がない。島国で平和ぼけしている証拠。戦後70年経った今、もう一度日本人という民俗性と歴史を学ばないといけない時代が来ているのではないかと思う。戦争に負けたから、自国の文化を捨てた!では済まない。自国の文化を捨てたから、文化を消費してもいいという思考も違う。

でも、今の日本人(日本)は、すっかり消費を当たり前とする民俗になってしまったように思います。

海外の人たちは、そんな簡単には、文化やライフスタイルを変えたりしません。時間を大事にし、歴史を重んじて、親や先祖のことを考えながら、200年も500年も過ごしてきたからこそ、ヨーロッパでは、古い建物が残るわけですし、生活スタイルを変えるなどしないのですよね!

日本は、建物も、食生活も、様式も全て変えれる民俗。いい意味で、柔軟性がある。ということでしょうが、結果的には、消費しつづけないといけない国になったわけです。先に書いた骨董商さんの話ですが、骨董の敷居をさげてまでトレンドにする必要がないのです。このトレンドが骨董という文化を消滅させる要因にもなる可能性があるからです。本当に骨董を愛し、収集する人たちは、このトレンド風の骨董ブームには見向きもしないのですが、流行ってしまうと本来のお客様を追い出してしまうことも考えられるからです。モノを愛する人の手に渡らず、モノを消費する人たちの手に渡り、その後、またトレンドの志向が変わったら、何処かに売られる。その繰り返しなのです。ヨーロッパに骨董売買がないわけではないですが、思考と認識が違うということです。

民芸工芸が流行ると雑誌がこぞって特集を組む。珈琲が流行ると特集を組む。家具やインテリアが流行ると特集を組む。そうやってトレンドを消費し、文化を育てることなどせず、メディアが消費を促してきた国なのです。(日本が極端という意味も含む)

自分にとって必要な生活。自分にとって必要なモノ。自分にとって大切な暮らし方。トレンドに左右されるのではなく、自分の頭で考え、自分で判断し、行動すれば、それはとても素敵な生き方になるわけで、自分だけのオリジナルなライフスタイルが作れるのです。ブームを意識し、まわりばかり意識することなく、自分の信じる文化を創る時代に、そろそろ移行する必要があるかなぁ?と思います。一本筋の通った日本人を目指したいですね!?

 

余談

先日、スタッフにも言ったのですが、ライフスタイルをトレンド化したものを正当化したり、その中で生きてる人たちは、ホンモノではない!という話。スローライフやオーガニックな生活をメディアで見たり、聞いたりした人ほど、田舎暮らしをしたがるのです。でも、自給自足で畑を耕し、自分たちが口にする食料と生活をしていくための農業をするでもなく、空間としてだけの田舎暮らしをお洒落を思って行う人たち。そういう人たちほど、ホンモノではなく、ライフスタイルを追うもんだから、お金が必要で、結果的に出稼ぎをしています。(昔でいう出稼ぎと意味が違う)骨董や民芸工芸を買い、部屋に飾るために外貨が必要になるわけです。要はスタイルを求めているのです。本当にスローライフをしたい!本当に環境の良いところで安全な食品だけで生活したい!と思うひとたちと意識が違い過ぎる!という話。ライフスタイルをトレンド化し、それを自分の生活に取り込む人ほど、田舎暮らしは溶け込めないでしょうし、続けることが出来ないでしょう。志の高いモンモノのひとは、利便性ではなく、ホンモノの環境を選択されると思います。料理家の根元キコさんのように・・・。

応援するということ。

08.02.2015

「応援する!」とは、どういうことでしょう?

運動会の赤白を応援する!といったシチュエーションもありますが、人生や社会において、「応援する!」とは、そんなカジュアルで単純な感じじゃないのでは?と僕は思っています。

先日、自社の飲食店「トリトンカフェ」を15年ぶりにリニューアル改装をしたのですが、その内装工事のほとんどを、ある写真家の方が手伝ってくれました。お付き合いの期間としては20年以上。お互いの性格やノリも十分理解している仲と勝手に思っているのですが・・・。笑 今年の1月13日に解体工事がはじまり、22日まで内装工事や家具づくりをしていただきました。延べ10日間、本業の撮影仕事を受けず、僕のお店づくりを楽しんで行っていただきました。

本当に「応援する!」とは、そういう気持ちからアクションすることだと思います。誰かが助けを求めてる時に助けれる仲間。お金や時間では図れない、清い気持ちで本当に応援出来るか?だと思います。そういう意味でも、次は僕が応援したい!応えたい!と思えるわけです。その人の周りで悩んでいるひとも含めて、応援したい!と。その人には、今回の内装工事だけなく、さまざまな悩みを相談したりしました。何故なら、心強い安心感のある兄貴だし、応援してくれると信じているからです。そんな信じれる仲間と応援できる関係を構築しないとダメですね!?この1ヶ月間、そんなことばかり考えていました。

自分のことを本当に応援してくれるのかなぁ?逆に言えば、その人のことを真剣に応援出来るのかなぁ?ということが、信じ合える関係をつくることなのではないでしょうか?こそこそ活動し、こそこそを応援する仲間は本当の意味で信じ合える関係ではないし、そういう関係性では、こころから「応援する!」は構築出来ないと思います。「応援する」という単純な言葉ですが、しんみり、じっくり考えてみてはどうでしょうか?

この1年半、弟子と過ごして来て、僕は本当にいまの弟子を応援したい!と思っている。単純にカジュアルに言っているのではなく、僕のメッセージを理解してもらい、あたまとカラダに浸透させるためには、「応援できる関係」「信じ合える関係」を構築しないと叶わないことだと思っています。彼女の成長と彼女の未来のために、僕は「応援する!」ことを清い気持ちで行いたい。それは、結果的には自分にも繋がることと信じているからです。

「応援する」=「信じること」

大切なことだと思っています。

みなさんも「応援する!」を考えてみてはどうですか?

 

若い世代から学ぶこと。

04.08.2014

今年のはじめに、徳島県から仕事の依頼メールが入った。

数日後に僕は徳島県鳴門市の大谷焼という窯元に出向いた。メールの文面からは伝わらなかったのですが、四代目窯元は若干31歳と若かった。でも、同じ世代の若者とは一線を画して、芯のある若者でした。仕事をするにあたり、打合せをしたのですが、僕のこころを動かしたのは、彼の発言でした。

「大谷焼には歴史はありますが、ブランド力がありません。ほかの窯元に比べると消滅する方向に向かっているのです。僕も陶芸をはじめ、作家活動としても少しは評価されましたが、大谷焼がブランドとして残るためには、作家活動はやめて、当窯元だけでメーカーシフトし、事業が軌道にのったら、雇用を増やし、ブランド化の成功にまで持って行きたいのです。民芸ではなくなりますが、未来に大谷焼の名を残す活動となることを信じたいのです。」と語られた時に、ドキュンという音がしたのです。こんな風にスタイルを変えても民芸工芸を支えたいと考えるひともいるんだぁー!と僕自身、驚きましたし、勉強にもなりました。

四代目窯元のその発言があったので、これまでの陶芸、工芸の表現から離れ、少しモダンな表現を行うことが出来たかな?と思います。こうしてブログを書いている間にも、消滅している日本の伝統工芸があるかと思うと、この四代目のような発想と起点で新しい道が作れたプロセスを伝えなければ!と思うわけです。

そう簡単にシフトチェンジできないということも理解しているのですが、今回のプロジェクトではそういうことを気付かせてくれた仕事でした。と同時に、若い世代にも発想が豊かで行動力のあるひとは存在するんだなぁ!と、未来に期待がもてた瞬間でもありました。今回のプロジェクトに声をかけてくれた四代目窯元の矢野さん、本当にありがとうございました。